08≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫10


| Home |
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告】 | top↑
ヘイ・ノン・ノニー・ノニー・・・
ジョン・エヴァレット・ミレイ オフィーリア  2

小川のほとりに柳の木が斜めに立ち、
白い葉裏を流れに映しているところに、
オフィーリアがきました。
キンポウゲ、イラクサ、ヒナギク、
それに、口さがない羊飼いは卑しい名で呼び、
清純な乙女たちは死人の指と名づけている
紫蘭の花などを編み合わせた花冠を手にして。
あの子がしだれ柳の枝に
その花冠をかけようとよじ登ったとたんに、
つれない枝は一瞬にして折れ、
あの子は花を抱いたまま泣きさざめく流れに
まっさかさま。裳裾は大きく広がって
しばらくは人魚のように川面に浮かびながら、
古い歌をきれぎれに口ずさんでいました、
まるでわが身に迫る死を知らぬげに、
あるいは水のなかに生まれ、
水のなかで育つもののように。
だがそれもわずかなあいだ、身につけた服は
水をふくんで重くなり、あわれにもその
美しい歌声をもぎとって、川底の泥のなかへ
引きずり込んでいきました。

シェイクスピア「ハムレット」より 小田島雄志訳

長い引用でした。ハムレットの中の有名な一節です。
オフィーリアが小川に落ちて亡くなるシーンは実際には王妃の語りで伝えられます。

このミレイのオフィーリアは狂気の中歌いながらドレスが水を吸って沈んでいく溺死の時を描いたもので、愛と死の絶妙な融合が描かれています。

愛と死をみつめてるこの表情は半開きの口とあいまって性的であり、恋極まった後の虚脱のようにも見えます。
オフィーリアを主題とした絵画はかなりありますが、私にはこのオフィーリアの印象が圧倒的です。
背景の爛漫と咲き誇る花と息苦しいまでの鬱蒼とした緑は生の頂点から死へとこぼれおちる瞬間のような気すらします。

愛と性と死と、この三つが同時に感じられる、傑作です。
はい、マイベスト絵画の一枚であります。

漱石はこのオフィーリアを見て強い印象を受け、「草枕」の中で触れています。

>水に浮んだまま、あるいは水に沈んだまま、あるいは沈んだり浮んだりしたまま、ただそのままの姿で苦なしに流れる有様は美的に相違ない。それで両岸にいろいろな草花をあしらって、水の色と流れて行く人の顔の色と、衣服の色に、落ちついた調和をとったなら、きっと画になるに相違ない。



ミレイのモデルをつとめたシダルは、浴槽に水をはり、古いレースのドレスを着てモデルをつとめたそうですが、水温を上げるために炊いていた火が途中で消えてしまい肺炎になり、シダルの父がミレイを訴えたとか。

このオフィーリアは、1852年のロイヤル・アカデミー展に出展したということですが、、アーサー・ヒューズも同じオフィーリアを出展しています。これは本当に偶然。

アーサー・ヒューズ オフィーリア2

ミレイに比べるとイメージ性が強い気がします。
狂気はあまり感じません。

では、こうなったら探し回ったオフィーリア尽くし行きます!!!

ウォーターハウス・オフィーリア2

ウォーターハウス・オフィーリア2~2

ウォーターハウス オフィーリア3~2

以上三枚ともウォーターハウスのオフィーリア。丈夫そうなオフィーリアです。

アングル・オフィーリア2
アングルのオフィーリア。なんだか生々しい・・・

caba-ophelia カバネル・オフィーリア2~2
カバネルのオフィーリア。既出です。う~~ん、芝居がかってるかな?

]《オフィーリア》(1841)リチャード・レドグレイヴ2
リチャード・レドグレイヴのオフィーリア。狂気というより放心してます。

ポール.アルバート.スティック2
ポール・アルバート・スティックのオフィーリア。沈みきってます。


オフィーリアの歌;(一部)

恋人のまことの心
知るすべはほかにあらじ
巡礼の旅行く姿
杖を手に足には草鞋


ヘイ・ノン・ノニー・ノニー・ヘイ・ノニー
お墓に涙の雨が降る
降る 降る いとしい あの方に

スポンサーサイト

THEME:絵画・美術 - GENRE:学問・文化・芸術
美術TB(0) | CM(11) | top↑
| Home |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。